躁うつ病とは、躁病と、うつ病を繰り返し発病する精神疾患です。誰でも、気分が高ぶったり、落ち込んだりしたことがあるのではないのでしょうか?しかし、それは時が経過すれば治まります。しかし、躁うつ病は、自己の意思とは無縁に、躁病や、うつ病を、次々に展開して行きます。
まず、躁病について見ていきましょう。以下、DSM-Wよりの転載です。
1、気分が良すぎる、ハイになりすぎる、興奮する、怒り出す
2、自分が偉くなったよう感じる
3、普段よりお喋りになる
4、次々とアイディア、考えが頭に浮かぶ
5、注意力が散漫しやすい
6、活動的になり、じっとしていられない
7、散財、性的逸脱、バカげた投資などの逸脱行為が顕著
以上、1を含んだ状態が、1週間続いた状態を、「躁病」と呼びます。他、類似として、人間関係、仕事関係などに支障を来たさない程度の躁病を「軽躁状態」と呼びます。躁病では、気分がハイになり、毎日が楽しく、エネルギッシュになり、活動的になります。しかし、怒りやすく、集中力も欠け、時には暴力も振るいます。
躁病が酷くなると、誇大妄想が現れ、「私は誰よりも偉い」「電話1本で数百人の数を呼べる」「どんな偉業も成し遂げる」と思うようになります。これは、病識がない状態なので、躁うつ病の患者本人は、積極的に治療すらしません。ここは、ご家族の方が、主治医と良く相談された上で、必要であれば医療保護入院、措置入院の手続きを踏んでください。
躁病は、マニア(=暴れまわること、逸脱)です。躁病患者の行動特性は、粉砕者としての興奮、脱抑制、爽快気分と言う、独自性があります。まとめて言えば、規範のただ1人の送り手になりたがる傾向にあります。では、対人行動はどうでしょうか?それは、人を操るために駆使する様々な術策の根底には、気にかけられたい欲求(need to be taken of)があります。
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私の場合は、月に100万円単位で消費していきました(自己破産はしていません)。誇大妄想はそれ程、酷くはありませんが、注意はしたいです。そして、次々と新しいアイディアや考えが頭の中に浮かび、それをPCに打ち込んで、眠れない日々を過ごしたことを何度もあります。性的逸脱も激しく、全国に一体、何十人の女を作ったことでしょうか。後悔しています。
また、暴力も酷かったです。興奮度もマックスで、理性のケタが外れてきます。とてもではありませんが、制御できるものではありません。最初の犠牲者は、父です。私は空手をやっているので、回り蹴りを食らわしてやりました。次の犠牲者は、知らないおじさんです。コンビニのレジで横入りされたのにブチ切れて、本気で殴りました。まさに猛獣を町に放っているようなものです。
次に、うつ病について見ていきましょう。以下、DSM-Wよりの転載です。
1、1日中憂鬱で、気分が晴れない
2、すべてに興味を失い、楽しめなくなる
3、食欲が減少(or増加)したり、体重が減少(or増加)する
4、寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝すぎる
5、話しかたや動作が鈍くなる
6、自分には価値がないと思う
7、疲れやすく感じ、無気力になる
8、集中できない、決断できない
9、死にたいと切実に思う
以上、1or2を含んだ状態が、2週間続いた状態を、「うつ病」と呼びます。うつ病では、気分が酷く落ち込み、何をしても楽しくありません。これまで興味があったことでも、興味喪失します。視界は狭まれ、昼間を歩いていても、まるで目の前を暗幕がかかったような世界があります。食欲もないので、体重も凄い勢いで減少し、さらに悪化すると、毎日が自殺との闘いになります。
不安の健康面
うつ病の場合、もっとも気をつけるべき点は、自殺です。事実、日本と言う国は、約32,000人/年、自殺していますが、そのほとんどが、うつ病などの精神疾患が原因です。しかも、それは治療をすれば治るであろうにも関わらず。うつ病を抱えた患者は、先のことはもう見えません。自殺したら、どんなに楽か・・・これしか頭にありません。
私の場合は、体調が崩れるところから始まりました。しかし、内科的なものではなく、明らかに精神的なものでした。案の定、抑うつ状態と診断され、ドグマチールとハルシオンを処方されました。やがて症状は悪化し、仕事にも行けなくなり、会社を退職しました。ベッドから起き上がれません。PCの電源も入れられません。食事も喉を通りません。本当の行き地獄です。
また、当然に自殺未遂も起こしました。ホームセンタでロープを購入してきて、部屋のクローゼットにロープをかけて首を吊りました。頚動脈を締め上げれば、窒息はしません。心臓の鼓動が速くなってきて、頭に血が昇り、意識が遠くなってきます。これで、生き地獄から開放される反面、大切な家族と別れると思うと、非常に複雑な心境でした。
以上、「躁うつ病」の症状である「躁病」と「うつ病」について解説しました。上記、躁病でふれましたが、躁病には、2種類あり、躁状態と軽躁状態があります。前者を、DSM-Wで言うところの、双極性T型障害と呼び、後者を双極性U型障害と呼びます。また、1年間に、4回以上の躁病orうつ病の病相を繰り返し現れるタイプを、ラピッドサイクラーと呼びます。では、躁うつ病を抱える人の多くは、実際、躁病orうつ病、どちらの状態で過ごしているでしょうか?
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上記の画像を見ると、双極性T型障害の人は、うつ病→31.9%。双極性U型障害の人は、うつ病→50.3%になります。と言うことは、躁うつ病の人のほとんどは、うつ病状態で過ごし、時折、躁病が現れることになります。躁病、うつ病ともに、放置しておくと、3ヶ月〜6ヶ月は治まりません。おかしいな?と感じたら、早急に主治医に相談されるのが良いでしょう。
以下、1983年に、Akiskal、H.Sが発表したもので、非常に細かい分類になりますが、読み飛ばして結構です(Soft Bipolarity-A footnoteto Kraepelin 100 years laterより)。あくまで、Akiskal、H.Sの独論なので、これに従う必要はありません。
双極性障害の分類について
1、双極1/2型→分裂双極性障害→統合失調感情障害双極型と推測(こころの科学131号、秋山、酒井、松本)
2、双極T型→躁うつ病→上記、DSM-Wの通り
3、双極T1/2型→遷延した軽躁をもつうつ病→遷延した軽躁に時にうつ病が生じる経過を双極T型に近いものとした
4、双極U型→自主的で明瞭な軽躁を持つうつ病→上記、DSM-Wの通り
5、双極U1/2型→循環気質者のうつ病→1〜3日の軽躁と軽うつを示す患者は、DSMによれば気分性循環障害と捉える
6、双極V型→抗うつ薬や身体的治療により起こる軽躁とうつ病→病相を浸透性の弱い遺伝子型の表現型とした
7、双極V1/2型→物質ないしアルコール乱用によって起こる軽躁とうつ病→治療にMood Stabilizerを用いることを推奨
8、双極W型→発揚気質者のうつ病→過眠、抗うつ薬の投与で病像が不安定、思考奔逸などの混合病像が遷延
最後に躁うつ病と合併症についてですが、中でも多いのがアルコールと薬物乱用(全体の約3割)です。これらは、精神症状の混合状態や急速交代、遷延化、薬物アドヒアランスの低さ、治療抵抗性などと関連しており、肝機能障害や身体疾患の発症や自殺リスクを高める危険性が高いです。また、摂食障害、人格障害、不安障害、パニック障害、強迫性障害とも合併します。
特に、摂食障害は、チュートリヒ・コホート研究によると、軽躁と持続的な短期的軽躁では、DSM-Wによるむちゃ食い障害の生涯有病率が、軽躁→12.8%、持続的な短期的軽躁→22.2%と報告されています。健康群の4.6%と比較すると3倍以上です。また、躁うつ病患者の3割は何らかの人格障害を合併しているとの報告があります。別途、摂食障害、人格障害と同じぐらいに多いのが、躁うつ病における児童期の注意欠陥多動性障害(ADHD)です。
私の場合は、合併症として、アルコール依存症、薬物依存症になりました(現在は、完治=と言うより加療中)。依存症とは、否認の病です。もし、あなたがアルコール依存症や薬物依存症であれば、きっぱりと決断力を持って、アルコールと薬物から離れるべきです。なぜ、決断力が必要であるかと言うと、依存症と言う病は、根性や気合で完治するものではないからです。
アルコールなら、シアナマイドの服用or依存症治療施設への入院、A/Aへの参加。薬物なら、減薬or依存治療施設への入院、N/Aへの参加を推奨します。依存症の症状は、精神的依存と身体的依存に分類されます。精神的依存は、依存対象物が喪失されると、精神的に強い不快感を示すのに対して、身体的依存は、離脱症状として、痙攣、体温コントロールの不可、疲労感、憂鬱感、発汗、錯乱、睡眠障害などがあります。
以上で、躁うつ病の症状についての解説をおわります。お疲れ様でした。
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